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    労働基準関係法令違反と送検になった場合の企業が受ける処罰は?

    2020.04.15 / 外国人人材をお探しの企業様

    外国人技能実習の実習実施機関は関連する法を熟知し、遵守する必要があります。しかし、外国人の人権を無視した行いや法令違反等は少なくなく、送検される例もあります。今回は、送検される場合や送検の現状、事例や処罰について説明します。
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    どういった状態になったら送検されるのか

    外国人技能実習生の増加に伴って、労働基準監督機関による実習実施機関を対象とした監督指導で労働基準関係法令違反だと判断された件数も増加しています。


    ■すべてが送検されているわけではない

    平成28年では全産業の実習実施機関の70.6%に労働基準関係法令違反が認めらていますが、違反した実習実施機関のすべてが送検されているわけではありません。

    参考)外国人技能実習制度の現状、課題等について(厚生労働省)


    ■送検される場合

    技能実習生に関わる重大、又は悪質な労働基準関係法令違反だと認められた場合に送検されます。重大、又は悪質な労働基準関係法令違反の例としては、何度も違反を指摘され改善指導を受けているにも関わらず、法令違反を是正しない場合です。

    そもそも、労働局や労働基準監督署が監理団体や実習実施機関に労働基準関係法令の周知をしているため、知らなかったという言い訳はできません。


    ■すぐに是正対応を

    労働基準監督機関等による立ち入り検査の拒否や改善指導の不履行等は認定の取り消しになる可能性があります。認定の取り消しや送検されないためには、日頃から法令を遵守して適切に実習を実施しなければなりません。もし改善指導を受けたとしても、すぐに是正することが大切です。


    送検の現状


    出典:「外国人技能実習生の実習実施機関に関する監督指導、送検等の状況」(厚生労働省)

    平成28年に労働基準関係法令違反と認められた実習実施機関の内、労働基準監督機関が悪質だと判断し、送検した件数は40件となっています。


    ■最多の違反事由

    一番多く見られる違反事由は、労働基準法・最低賃金法違反です。平成24年には15件の送検事案がありますが、その内10件が労働基準法・最低賃金法違反です。

    労働基準法・最低賃金法違反の件数は毎年増加しており、平成28年には全部で40件ある送検事案の内39件を占めています。労働基準法・最低賃金法以外の違反としては、労働安全衛生法違反があります。

    参考)外国人技能実習制度の現状、課題等について(厚生労働省)


    事例の紹介

    送検される事由は様々ですが、労働基準法や最低賃金法違反の場合は長時間労働や最低賃金、割増賃金等が多いです。


    ■事例1

    事例の1つ目は、ある縫製会社で1,200万円以上の賃金不払いと違法な時間外労働を行わせたことによる送検です。

    調査の結果、2年にわたって技能実習生の給与から虚偽の名目で控除をしたり、所定の賃金や割増賃金がきちんと支払われていなかったりしたことが発覚しています。更に、1ヶ月に最長120時間程度の違法な長時間労働も明らかになりました。労働基準法第24条、32条、37条の違反です。


    ■事例2

    事例の2つ目は、最低賃金法違反で申し立てがなされ調査しようとしたところ、虚偽の帳簿作成、提出をしたり、臨検を妨害したりした事業主らが逮捕され、賃金と割増賃金の不払いも明らかになって送検されています。最低賃金法4条、労働基準法37条、120条の違反です。


    参考)外国人技能実習制度の現状、課題等について(厚生労働省)


    どんな処罰があるのか

    送検とは、司法処分です。送検されるということは犯罪として扱われるということなので、処罰を受けることになります。

    労働基準監督官は捜査権限や逮捕の権限が認められています。捜査に応じなかったり、証拠を隠滅したりする恐れのある事業主等は逮捕される場合があります。

    捜査を終えて送検された実習実施機関は、検察官によって起訴か不起訴が決められます。起訴される場合は正式な裁判か、略式裁判かが決まります。


    ■刑事罰に処せられるケースも

    たかが労働基準法違反と考える実習実施機関があるかもしれませんが、刑事罰に処せられる可能性もあります。

    実際に過去には外国人技能実習生に関連する裁判も行われており、実習実施機関に対し外国人技能実習生への未払い賃金の支払いが認められたり、懲役や執行猶予の刑事罰が認められたりしたケースもあります。

    労働基準関係法令違反が認められる実習実施機関は多いですが、これから外国人技能実習生を受け入れる企業は、法を犯した時の代償は小さくないということを認識しておく必要があります。



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