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    違反はなぜ起きる?業種別でみた外国人技能実習生への監理問題

    2020.04.16 / 外国人人材をお探しの企業様

    外国人技能実習生に関して実習実施機関で多く発生している労働基準関係法令違反。違反が多い法律の種類や違反率の高さは業種によって異なります。今回は、違反が起きる背景や監督指導結果を業種別でみたときの現状、違反率が高い業界の理由等を説明します。
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    違反はなぜ起きてしまうのか

    厚生労働省は、全国の労働基準監督機関が技能実習の実習実施機関に監督指導した結果を公表しています。違反が認められる実習実施機関はありますが、注目すべきは違反している実習実施機関の多さです。




    出典:「外国人技能実習生の実習実施機関に関する監督指導、送検等の状況」(厚生労働省)

    平成26年以降、監督指導実施事業場数と違反事業場数は増加していますが、違反率は減少しています。しかし、70%以上という高い違反率で推移しています。


    ■違反理由1.技能実習生の実習実施機関

    違反が起きる理由には複数あると指摘されています。1つは、技能実習生の実習実施機関に関わる問題です。


    技能実習生の実習実施機関には零細企業が多く、知識がない上に遵法意識が低い場合があります。労働時間や給与、機械の安全基準等を管理するための部署や担当者もなく、マニュアルもないので違反が起こりやすいです。


    ■違反理由2.中間事業者の存在
    2つ目の理由は中間事業者の存在です。外国人の国には送り出し機関があり、日本には技能実習生を受け入れるための監理団体があります。

    企業は中間業者に手数料を支払って技能実習生として日本で働きたい外国人を探しますが、手数料を支払う分だけ技能実習生の低賃金につながっている場合が見受けられます。


    ■管理団体のノウハウ不足

    また、日本で技能実習生を受け入れる管理団体には企業単独型と団体監理型の方法があり、団体監理型が大部分を占めるのが現状です。この管理団体のノウハウ不足や知識の欠如が実習実施機関の違反につながることもあります。


    監督指導結果を業種別でみたときの現状

    厚生労働省では監督指導結果が業種別にまとめられており、違反率の高い業種やどの法律に違反しているのかが業種毎に一目瞭然です。


    ■繊維製品製造業での違反率の高さ

    平成29年4月から11月に岐阜労働局労働基準部監督課による技能実習生関係監督指導の結果、製造業でも一番違反が多いのは繊維製品製造業で違反率は77.8%に上ります。

    特に目立つのは、労働基準法第32、37条と最低賃金法第4条の違反です。ちなみに労働基準法第32条は労働時間、第37条は割増賃金の支払い、最低賃金法第4条は最低賃金以上の支払いについて定めています。


    ■食料品製造業

    同じ製造業の食料品製造業での違反率は27.3%ですが、繊維製品製造業と同様に労働基準法違反が多くみられます。


    ■建設業

    建設業に関して、違反率は66.7%と高く、違反内容として特に顕著なのは労働安全衛生法や衛生関係、安全関係に関するものです。

    参考)外国人技能実習制度の現状、課題等について(厚生労働省)


    違反率が高い業界の理由

    監督指導の結果、違反率は業種によって大きく異なることは明らかです。違反率が1番高い繊維製品製造業に関して、理由の一つに実習実施機関の法令遵守意識の低さが指摘されています。また、繊維製品製造業界における課題も背景にあります。


    ■低賃金での技能実習生雇用が前提

    繊維製品製造業界では、発注企業が不当に安価だと思われる工賃を提示してきたとしても、受注企業は否応なしに受け入れざるを得ない状況にあったり、低賃金で技能実習生を雇用することを前提として安価な工賃で受注したりしていることが違反の温床になっています。


    ■適正な工賃を把握していない

    受注する企業が適正な工賃を把握していないために、安価な工賃で受注してしまっているという場合もあります。安価な工賃は外国人技能実習生だけでなく、日本人労働者の賃金や労働環境の提供にも十分ではないため、繊維製品製造業界は早急な発注工賃の適正化が求められています。

    参考)「繊維産業における外国人技能実習の適正な実施等のための取組」について


    ■建設業の場合

    違反率が高い建設業に関しても、繊維製品製造業と同様に法令遵守意識の低さが挙げられます。

    現場や使用する機械に事業所が講ずべき安全措置をしていなかったり、建設機械の操縦に免許が必要であるにも関わらず免許を取らせていなかったりする実習実施機関もあります。

    工事料が落ち込んだことよる企業の安全経費が減少していることが原因の一つと考えられています。


    研修生ではない雇用

    外国人雇用を検討する企業は、技能実習生でなくても外国人を雇用する方法はあります。そもそも外国人技能実習生は、日本企業の労働力不足を補うために雇うこと自体が技能実習法に反してしまいます。

    長く企業に貢献してくれる有能な外国人の雇用を検討しているなら、実習生ではない外国人の雇用を検討するのも効果的です。

    技能実習という在留資格以外にも就労できる在留資格は多くの種類があります。その中でも外国人が多く取得している在留資格の技術・人文知識・国際業務の人材を選定することで企業にとって有益な労働力を確保することができるはずです。



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